
おやしらず外来
おやしらず外来
当院には、日本口腔外科学会認定の「口腔外科専門医」が在籍しております。そのほかにも、「口腔外科認定医」や、名古屋大学医学部附属病院から派遣された口腔外科医が複数在籍し、チーム体制で診療にあたっています。
診断から手術、術後の管理に至るまで、大学病院や総合病院と同等の体制・設備を整え、質の高い口腔外科医療をご提供しています。専門的な症例にも対応可能ですので、安心してご相談ください。
日本口腔外科学会認定の「口腔外科専門医」とは、口腔外科領域において高度な技術と知識を持ち、論文発表などの学術的活動を通じて、口腔外科学の発展に貢献した歯科医師に与えられる資格です。取得難易度の比較的低い「認定医」は、原則として3年間口腔外科に研修医などの立場で在籍していれば取得可能な資格ですが、「専門医」はその上位に位置する資格で、総合病院では部長クラス、大学病院では助教〜教授クラスが取得していることが多い、非常に権威ある資格です。
このような「専門医」が一般のクリニックに在籍していることは非常に稀で、通常は総合病院や大学病院に所属していることがほとんどです。そのため、一般の方にとっては、受診までのハードルが高い専門職ともいえます。
当院では、その口腔外科専門医による診察・治療を、地域の皆様にもご提供しております。
口腔がん・顎変形症・顎や歯の外傷・口唇口蓋裂・インプラント・親知らずなど、難症例に多数対応してきた経験豊富な専門医が、的確な診断・わかりやすい説明・低侵襲かつ安全性の高い治療で、皆様のお悩みを解決いたします。
特に親知らずの治療においては、累計1万症例以上の実績があり、抜歯技術はもちろん、抜歯の必要性の判断から術後の管理まで、総合病院レベルの医療をクリニックでご提供することが可能です。
親知らずとは、前歯から数えて8番目に位置する奥歯で、第二大臼歯(いわゆる12歳臼歯)のさらに奥に生えてくる歯です。
その位置や性質から、さまざまな呼び名があり、
・「8番」
・「第3大臼歯」
・「親知らず」(親が亡くなってから生えてくる時期とされることから)
・「智歯(ちし)」(英語の “Wisdom tooth” の訳語)
などと呼ばれています。
親知らずの“芽”は、小学生の頃に撮影したレントゲンでも、すでに顎の骨の中に存在していることが多くあります。その後、徐々に歯が成長し、高校生くらいになると歯ぐきを突き破って表に出てくる(萌出)ことがあります。歯の根(歯根)が完成し、生える力が弱まってくるのは、20代半ばごろです。
理想的には、他の歯と同じようにまっすぐ生えて、上下の親知らず同士でしっかり噛み合うのが望ましいのですが、実際にはそのようにきれいに生えることは少なく、
・歯ぐきの腫れ
・むし歯や歯周病の原因
・周囲の歯への圧迫や傾き
など、さまざまなトラブルの原因となるケースが多いのが親知らずの特徴です。
そのため、定期的な経過観察や、必要に応じて早めの抜歯を検討することが、将来的なリスクを防ぐためにも重要です。
親知らずそのものが“悪い歯”というわけではありませんが、位置や埋まり方に問題があることが多く、お手入れが非常に難しいため、さまざまなトラブルの原因となりやすい歯です。
親知らずの抜歯が必要となる主な理由は、
・むし歯になる
・歯周病になる
・またはそのリスクが非常に高いと判断される場合です。
特に、歯の一部が歯ぐきに埋まっているケースでは、ご自宅でのブラッシングやケアだけで、むし歯や歯周病の発生・進行を防ぐのは非常に困難です。
そのため、将来的なトラブルを未然に防ぐために、親知らずは抜歯の対象となることが多くなります。
これまでに、親知らずについてのご相談は数えきれないほどいただいてまいりました。そのたびに、多くの患者様と向き合い、お一人おひとりの状況に合わせてアドバイスを行ってきました。
当院では、このよくあるご質問に対し、できる限りシンプルにお答えいたします。
もちろん、最終的な判断は診察を行った上で行いますが、現代の多くの方の親知らずは、十分にスペースがない中で不完全な生え方をしていることがほとんどです。そのため、実際には「抜いたほうがよい」ケースが多いのが現状です。
これまでに、「もっと早く抜いておけばよかった」と後悔される方を何人も見てきました。そうならないためにも、親知らず抜歯の豊富な実績を持つ当院で、まずはお気軽にご相談ください。
なお、「抜いたほうがよい」という診断になった場合でも、無理に強く抜歯を勧めることはありません。患者様のご希望やご不安を丁寧にうかがった上で、納得いただける治療を心がけておりますので、どうぞご安心ください。
埋まっている親知らずには、腫瘍や嚢胞(のうほう)といった病変を併発していることが少なくありません。多くの場合は良性であり、親知らずの抜歯と同時に摘出される、あるいは摘出しきれなくても特に問題がないケースが大半です。
しかしながら、まれにそれらの病変が傷の治りを悪くしたり、悪性である場合には重大な健康被害を引き起こす可能性もあります。
そのため当院では、大学病院や総合病院と同様に、摘出した組織に対して「病理組織検査(顕微鏡検査)」を行い、確定診断を実施しています。これにより、患者様が安心して手術を受けられるよう、安全性を高めた医療体制を整えております。
診察、検査
まずはレントゲンで歯の状態を確認し、親知らずの位置や向き、生え方などを把握します。そのうえで、抜歯が必要かどうか、現時点でのリスクや注意点について丁寧にご説明いたします。
抜歯を行う場合には、さらにCT撮影を実施することがあります。CTでは、親知らずの根の形や向き、神経や血管との位置関係を立体的に確認することができるため、より安全で正確な処置が可能になります。事前に詳細な情報を把握することで、抜歯時のトラブルを防ぎ、安全性を十分に確保したうえで処置を行っております。不安な点があれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。
お口の清掃
親知らずの抜歯後に起こりうる合併症をできるだけ防ぐためには、術前のお口の衛生管理がとても重要です。そのため当院では、抜歯の前にお口の中を清潔な状態に整える処置(クリーニングや消毒)を行っております。
また、歯ぐきの腫れや痛みなど、強い炎症がある場合には、すぐに抜歯を行わず、内服薬で炎症をコントロールしてから手術に進むようにしています。このような事前準備をしっかり行うことで、治療中や術後のリスクを最小限に抑え、より安全で快適な治療を提供いたします。
表面麻酔と注射麻酔で痛みを抑える
抜歯の際は、まず表面麻酔を行い、注射針が刺さる際の痛みを感じにくくします。その後に注射による局所麻酔を行うことで、麻酔自体の痛みを最小限に抑えるよう配慮しています。
「おやしらず」を抜歯する
手術の際は、麻酔の効果をしっかり確認しながら、手術部位の清掃を行ったうえで抜歯を開始します。
親知らずの生え方や埋まり方によって、抜歯の方法はさまざまで、必要に応じて
・歯ぐきの切開
・歯や骨の一部を削る処置
を行うこともあります。
ただし、どれほど深く埋まっているケースでも、ほとんどの場合は15分以内に手術が完了します。手術中に痛みを感じることはほとんどありませんが、万が一痛みを感じた際は我慢せずにすぐお伝えください。その場で麻酔を追加することで、無痛での手術を継続することが可能です。
縫合、止血の確認
歯ぐきを切開して抜歯を行った場合は、処置後に縫合(ほうごう)を行うことがあります。縫合が終わったあとは、止血のためにガーゼで圧迫を行い、出血の状態を確認します。
通常は、数分程度でしっかりと止血が確認できれば、そのままご帰宅いただけます。ご自宅での過ごし方や注意点については、しっかりとご説明いたしますのでご安心ください。
1週間後に抜糸
抜歯後、1〜2週間ほど経過すると傷口が徐々に塞がってきます。この時期に状態を確認し、問題がなければ縫合していた糸を抜く(抜糸)処置を行います。
その後しばらくは、抜いた部分がくぼんで感じられ、食べかすが入りやすくなったり、不快感を覚えることもあります。これは自然な経過であり、歯があった部分の骨はおよそ3〜6カ月かけて回復していきます。時間の経過とともに、違和感も次第に落ち着いていきますのでご安心ください。
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